2021年3月10日(水)

こんにちは!静岡県中部地域で、お墓のお仕事をさせていただいています有限会社 佐野石材の木野です。

昔から三寒四温といいますが、節分を過ぎたころから暖かくなったり寒くなったりを繰り返す気候が続いていますね。少しずつ春が近づいているのを感じます。もうすぐ春のお彼岸です。春が来て暖かくなったら、家族でゆっくりお墓参りに行きたいものです。

先日、古いお墓を解体し新しい墓所に立て直したい、とのご依頼を受けた事例ををご紹介します。

 

完成したお墓

インターロック「大樹Ⅱ」

 

ご依頼の経緯

今回のお客様は、今まで近くの共同墓地にお墓をお持ちでしたが、墓地までの道幅が狭く車で通りにくいため、お墓参りのたびに車の運転に不安を感じていたそうです。そこで、もっと通いやすい場所にお墓を移したいと考え、お寺の墓地の区画抽選に申し込みされました。そして、良い場所が当たったのでと、当社にご依頼くださいました。

 

お墓づくりのこと

石碑はインターロック社の「大樹Ⅱ」です。もともとこの「大樹Ⅱ」は石碑の一部にノミで石を叩いてつけた模様が入っているのですが、お客様のご要望でノミの加工は入れませんでした。新しい墓所があまり日当たりが良くない場所なので、ノミでたたいた部分が汚れそうということで、やめることにしました。

今回のように個性的なデザインのお墓でも、細かい仕様は変えることが可能です。打ち合わせの際に、担当者からアドバイスさせていただきますし、お客様のご希望も遠慮なくお聞かせください。ちょっとしたご希望でも、可能な限り対応させていただいています。

 

石碑の後ろは、「スラブ一体型塔婆立て」としました。お墓の土台部分にあらかじめ塔婆が立てられるように加工してあります。洋型のお墓は、縦型の和形と違って高さがないため、塔婆を後ろに建てると石塔の上部から塔婆が突き出たように見えてしまいます。今回のような加工ですと、塔婆を低く立てることが出来るので、前から見たときにすっきり見えます。

また、土台上面は砂利間ではなく、フラットにしました。砂利間にゴミがたまることもないので、お掃除しやすいです。

 

工事の様子

まずは転圧の作業です。30センチほど土を掘り、ぐり石を埋め込みます。その後ランマーでついて、地固めします。

 

転圧後、15センチピッチのマス目を組んで配筋します。水抜き穴の周りには斜め配筋を施します。水抜き穴は、大地とつながる部分であり、将来お骨を返すためにも使われます。

 

配筋後は、水抜き穴を残して、15センチ~20センチほどの厚みのコンクリートを打ちます。ここまでの行程で基礎の完成です。基礎はお墓が建ってしまうと見えませんが、とても大切な部分です。お墓を末永く大切にしていただくためにも、佐野石材では基礎づくりの行程を大切にしています。その工程は、お客様毎に写真に撮っています。

 

基礎が完成すると、いよいよ土台づくりです。土台の四隅はL字型金具でしっかりと固定します。

 

四隅を金具で固定することで、地震がきてもずれにくいお墓になります。

 

土台と石塔との接面には、免震ジェル「安震はかもり」を施工します。メーカー試験で震度7に耐えるという心強いジェルです。

佐野石材では、お墓を長く大切にしていただくために、各所に耐震免震対策を施します。

これまで大きな震災のたびに、お墓は甚大な被害を受けてきました。命が最優先される震災時は、お墓の被害が大きく取り上げられることはありませんが、重く大きな石で造られたお墓は、倒れてしまうとその復旧は大変な作業です。また、地震が起こったその時に、墓地にいたらと思うとゾッとします。家を建てる時に耐震対策を施すように、お墓にも耐震対策をすることを強くおすすめしています。

工事を終えて

お客様には、「お参りしやすくなって、お墓も立派なものが完成してとても嬉しいです。これからも大切にしていきたいと思います。」

と喜んでいただきました。

佐野石材では、このご縁を大切にして、これからもお客様のお墓のご相談にのらせていただきたいと思っています。今後、小さなお困り事でも、何かございましたら、ご相談いただけたらと思います!

 

本日もご覧いただきありがとうございました!