2020年12月2日(水)

こんにちは!静岡県中部地域で、お墓のお仕事をさせていただいています有限会社 佐野石材の木野です。

 

だんだん寒い季節が近づくにつれて、新型コロナウイルスが猛威を振るい始めています。今年はコロナに振り回されて厳しい年になりましたね。

昔から人間は、自然災害や流行り病に翻弄されてきました。ここ志太地域にも、その昔同じように疫病が流行した時、皆を救った人がいたという伝説が残っています。

その人の名は「川中島の八兵衛さん」。疫病が猛威を振るう中、人々に薬を処方し、手洗いうがいの大切さを伝えたと言われています。

八兵衛さんはどんな人物だったのか。それを明示する資料は残っていませんが、「薬売りの八兵衛さん」と呼ばれていることから、薬売りや加持祈祷をしながら全国を行脚していた聖人の一人だったのではないかと焼津市史に記載されています。

 

そんな八兵衛さんの伝説に触れながら、秋晴れの11月某日、二日間に分けて日本遺産に選ばれた藤枝市青島地区を歩きました!「青島の日本遺産と八兵衛さんを描く旅」と題したまちあるきには、両日とも明るく元気な皆さんにご参加いただき、楽しい時間を過ごすことが出来ました。

 

当日は、青島南地区交流センターに正午に集合し、まずは集合場所のすぐ隣にある正泉寺を訪れました。ここでは、住職様のお話を拝聴します。普段は檀家様でないとなかなか入れない本堂に上がらせていただき、お話を伺いました。

立派な本堂と綺麗に手入れされた境内の正泉寺は、人口の増えている青島地区にあって檀家さんも増えている立派なお寺です。

先日お亡くなりになった先代のご住職様が地元の歴史に造詣が深く、青島地区の史跡にも詳しい方で、そんなお父様から受け継いだ貴重なお話を、息子さんである現住職様がお話しくださいました。

お話の中で、正泉寺に祀られている「翡翠仏」も見せていただくことが出来ました。この仏様はかわせみがどこからか運んできたと言われている木製の仏さまで、大変珍しいものです。もともとは他のお寺にあったものを、今は正泉寺で大切に祀られてます。大切なものを受け継いでいく尊さをお話しいただきながら、この翡翠仏に手を合わせさせていただきました。

 

正泉寺を出たら、いよいよウォーキングのスタートです!

今日のテーマは八兵衛さん! 疫病が流行った時に、皆を救ったといわれる八兵衛さんの石塔は、「紀伊国 川中島小長谷八兵衛」と刻まれ、志太地域に80基以上が残っています。

その一つ一つは、どこから運んだなんという石で、どんな願いを込めて、誰がいつ建てたのか、、、などのお話させていただきながら、八兵衛さんの石碑を巡ります。当時の情景に想いを馳せて、皆さんと一緒にのんびりまちあるきです。

 

皆さん一つ一つ写真に収めながら、熱心に説明を聞いています。こちらの石塔は、屋根がつけられていて、地元の皆さんに大切にされていることがわかります。

こちらは、道しるべにもなっている八兵衛さんです。右が小川道、左は浜街道と記してあります。

こちらは、一つの石に六地蔵を彫った石塔があります。その奥に、八兵衛さんの石碑も。

日本遺産に選ばれた旧東海道の松並木などのお話もさせていただきながら、4キロほどのウォーキングでした。車で行けば知らずに通り過ぎてしまうような街の片隅に、数百年も前からひっそりとある石塔やお地蔵様。テーマである八兵衛さんだけでなく、地元の歴史についてたくさんお話させていただいたまちあるきでした。地元に住んでいてもなかなか通らないような細い道を歩いたりして、「こんな道もあったのか」とか「こんなところに石塔があったなんて知らなかった」と皆さん新鮮に感じてくださったようです。

最後は池田屋敷を回って、青島地区交流センターに戻ってきました。

 

たくさん歩いて、八兵衛さんの石碑を見た後は、青島南地区交流センターにて、絵手紙体験です。甲斐先生のご指導で、コロナの終息を願ってお地蔵様とお花の絵を描きました。自分でお地蔵様を描くことでご利益があるともいわれていますので、皆さんを疫病から守ってくださったら良いなと思います。

皆さんとってもお上手です!

 

さあ、いよいよ今回の旅も終盤です!最後は、正泉寺さんに戻って、八兵衛さんの物語の朗読を聴きました。

今回のために書き下ろしていただいた八兵衛物語です!

さっき歩いてきた道を思い出しながらお話を聞いて、八兵衛さんの生きた時代に想いを馳せます。

 

盛りだくさんの今回の旅は、これをもって終了しました。半日という短い時間の中に八兵衛さんの伝説がギュッと詰め込まれた充実した旅でした。

皆さんには、「八兵衛さんという人を今日初めて知り、私たちが今、命あるのも深いご縁からだと思いました。」「季節良し、天気良し、説明もすべて楽しかった。」「正泉寺さんの会場も素晴らしかった。」

と、とても喜んでいただきました。

 

佐野石材としても、普段からお墓を扱っている中で、ただ石を売るだけではなく、お墓があることでご先祖様のことを知り、またご先祖様のおかげで今の自分たちがあるということを考えていただくきっかけにしていただけたらという想いもあり、今回の企画にたくさんの方にご参加いただいて感謝しています。

 

本日もご覧いただきありがとうございました!