茨城県産の日本の銘石 やさとみかげ

いろいろな石の採石現場(丁場)を紹介するコーナーです。今回ご紹介する銘石は、茨城県産出の「やさとみかげ」です。

この辺りは、真壁石羽黒糠目石稲田石など国産石材の有名どころが採れる、石材の一大産地です。(特に真壁石とは同じ加波山という山であり、その山の桜川市側が「真壁石」、石岡市側が「やさとみかげ」の丁場となっているため、混同をされることが多々あります)

【丁場のようす】

やさとみかげも、それら石材と同じく有名で、歴史も古く、500年以上前から使用されているようです。(石器時代から使われているという説もあり!) 白系ですが、グレーと黒がちりばめられて優しい色合いになっているので、大変なじみやすい石種です。

【優しい色合いです】

耐久性もお墨付きです。サビが出にくく、水はけが良い! また、ほどよい硬さであるため、昔から使われてきたのでしょう。お墓だけでなく、家の塀などにも使用されてきました。こうなれば、モニュメントにも最適です。ブルガリアの芸術家、エミル・バチィスキー氏や、彫刻家の浅賀正治氏の作品にも使用されています。

【モニュメント:バチィスキー氏(左) 浅賀正治氏(右)】

また、このやさとみかげは、採れた時の天地をそのまま使用することで良い運気を呼び込むとされる「天地石」としても出荷されています。いろいろな使い方ができる、やさとみかげ。国内屈指の埋蔵量をもつこともあり、国産石材の中では比較的リーズナブルです!自信を持ってオススメします!

やさとみかげの特徴

産地:茨城県石岡市

見掛け比重:2.659t/m3

吸水率:0.2%

圧縮強度:161.32N/m㎡

(日本石材産業協会調べ)

佐野石材でのやさとみかげの制作事例

石碑:福岡県産「内垣石」 外柵:茨城県産「やさとみかげ」
どちらも石質は硬く、磨くと光沢がよく艶もちのよい石。水鉢には蓮の花を立体彫刻

ブログで詳細をご覧いただけます>>

やさとみかげを使用した石造物

墓石:岸信介、安倍晋太郎(富士霊園)

建築物:皇居新宮殿、東京迎賓館、最高裁判所、東日本大震災慰霊碑「千年塔」、高野建機(バチィスキー氏作)、霞ヶ浦市帆引き船発祥の地碑 他