愛媛県産の日本の銘石 大島石(おおしまいし)

いろいろな石の採石現場(丁場)を紹介するコーナーです。今回ご紹介する銘石は、愛媛県産出の「大島石(おおしまいし)」です。

「伊予大島石」とも呼ばれ、瀬戸内海の「しまなみ海道」が通る愛媛県・大島で採石されます。島と島が橋でつながるダイナミックな景色が広がる所で、自転車道も整備されているようですね。大島石の丁場は「余所国」「宮窪」「カレイ」と大きく3地区に分かれ、約40ヶ所もあります。

【幻想的な景色】

【丁場のようす】

その丁場の違いで石の呼び方が変わり、混乱することもあります。それでもだいたい質は良く、石目に大きな特徴はなくとも、とても目が細かくて青みがあって美しく、「石の貴婦人」と呼ばれるほど品のある石です。静岡県のある中部地方では大島石のお墓は少なめですが、関西・中国地方では香川県の庵治石と並んで絶大な人気を誇り、全国的にも人気が出てきています。

【石塔の一部に大島石】

大島石のおもしろい所は、採石を始めたらしい人の名前がわかっていることでしょうか。大阪城と今治城の築城に関わった石屋の治右ヱ門が、城の機密を守るため処刑されそうになったところを間一髪で逃れ、大島に行きついて石を掘った、という話があるそうです。背景がドラマティックな大島石、興味ある方にはじっくり相談にのらせていただきます!!

大島石の特徴

産地:島根県松江市宍道町来待地区

見掛け比重:2.649t/m3

吸水率:0.111%

圧縮強度:117.99N/m㎡

(日本石材産業協会調べ)

大島石を使用し石造物

墓石:司馬遼太郎、正岡子規、秋山好古 他

建築物:国会議事堂、赤坂離宮、大阪心斎橋、愛媛県庁舎 他