愛知県産の日本の銘石 花沢石(はなざわいし)
いろいろな石の採石現場(丁場)を紹介するコーナーです。今回ご紹介する銘石は、愛知県産出の「花沢石(はなざわいし)」です。
この石は、岡崎市に隣接した東加茂郡下山村(現・豊田市)の花沢地区で採掘されます。岩盤採掘のダイナミックな丁場です。
【丁場の入口】
明治時代から採掘され、東海地方では愛知県を中心に大変馴染みのある石となっています。別のページで紹介しています、グレー系の「牛岩青石」と違い、色がとても白いです。
吸水率も低く、愛知県産の石に多い「粘りがある」という特徴を持っています。石が納豆のようにネバネバするわけではなく、実際石を削ったり叩いたりしているときの感覚なのですが、このおかげで硬いのに加工しやすく、彫刻品にも向いているんです!
大英博物館によく作品が所蔵されている石仏師の長岡和慶氏も、よく花沢石を使用しているようです。以前に狛犬制作のご依頼があり、岡崎の職人さんに作っていただきまさいたが、使った石は花沢石だったので、やはり玄人に人気があるようです。
【狛犬もよくつくられます】
佐野石材展示場にはこの石で作った五輪塔が展示してあります。
ビシャン仕上げという、表面に細かい凹凸ができるような加工で、大変温かみを感じる石塔にできあがっています。ぜひご覧になってみてください。
【優しさも感じる石目】
花沢石の特徴
産地:愛知県豊田市花沢町
見掛け比重:-
吸水率:-
圧縮強度:-
花沢石を使用した石造物
伝教大師石像・伝台大師坐像(比叡山・長岡和慶作) 他